お金を借りる際には、収入や信用情報など返済能力に関する審査があります。中には独自審査を行い、お金を貸すかどうかを判断するケースもあります。
銀行のフリーローンを利用する際にも、保証会社だけでなく銀行の独自審査が行われるケースが少なくありません。フリーローンの審査はどのようなものか把握しておきましょう。
また、中小消費者金融の中にも、独自審査を行っているケースがあります。独自審査は甘いのか?それとも厳しいのか?審査通過できる条件や注意点について解説します。
フリーローンは主に銀行が提供している利用目的が自由なローン
フリーローンはお金の使い道が自由なローンです。その点ではカードローンと同じですが、融資回数や審査時間などカードローンとは異なることが多いです。
一度にまとめてお金を借りられるが追加融資には審査がある
フリーローンは一度にまとまったお金を借りられるのがメリットです。しかし利用可能額の範囲内で何度も借り入れや返済ができるカードローンとは異なり、お金を借りられるのは1回のみ。追加の借り入れには再度審査があります。
銀行やクレジットカード会社で扱っていることが多い
フリーローンは一部、クレジットカード会社で取り扱っているケースもありますが、主に銀行が提供しています。銀行の個人向け融資には、フリーローンのほかに以下のような種類があります。
カードローン | 利用可能限度額の範囲内で借り入れと返済を繰り返せる。使用目的は自由 |
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多目的ローン | 住宅ローンやマイカーローンのほか、教育ローン、結婚資金や歯科治療、引っ越しや旅行などに利用できる。使用目的が分かる書類の提出が必要 |
ビジネスローン | 事業資金に特化した融資。法人の経営者や個人事業主が申込できる |
フリーローンは銀行が取り扱うさまざまなローンの一つで、多目的ローンのように使用目的が眼底されていないのが特徴ですが、独自審査において使用目的に関する書類を提出しなければならないことも多いです。
また、一部クレジットカード会社で取り扱っているケースもあります。
貸付利率 | 13.2%~16.2% |
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融資金額 | 10万円~300万円 |
申込条件 | 満20歳以上で安定した収入がある |
振込日 | 契約内容を確認後、原則2営業日以内 |
使用目的 | 自由(事業性資金、ローンの借換え資金としての使用は不可) |
消費者金融でもフリーローンと称した商品がありますが、多くはカードローンと同じように利用可能金額の範囲内で、何度でも借り入れ・返済ができることが多いです。
ニチデンのフリーローンでは、銀行や消費者金融のカードローンと同じく限度額内であれば何度でも利用することができます。
引用元:ニチデン フリーローンとは
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引用元:いつも ③お借入れ
消費者金融カードローンより低金利であることが多い
フリーローンは消費者金融カードローンより低金利で借り入れ可能なことが多いです。
アイフル | 3.0%~18.0% |
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プロミス | 4.5%~17.8% |
三井住友銀行 フリーローン | 5.975%(変動金利型) |
りそなフリーローン(無担保型) | 1.7%~14.0% |
ちばぎんフリーローン | 1.7%~14.8%(固定金利) |
一般的にフリーローンは消費者金融カードローンより低金利傾向があります。条件に適用していれば独自審査によってさらに金利が下がることも。
本ローンお申込時、当行の住宅ローンをご利用中で、ご返済の遅延がないお客さまにつきましては、お借入時からご完済時までのお借入利率を店頭金利より▲年3.0%とします。
利用している銀行のフリーローンを調べてみるとよいでしょう。返済が長期にわたることを考えれば、金利は少しでも低い方がよいです。
フリーローンには独自審査項目があるので注意
フリーローンには独自審査項目があります。例えば、先に紹介した三井住友銀行のフリーローンでは、住宅ローンを利用している場合金利が下がることがありますが、返済に遅延がない場合という条件があります。
そのため、審査では住宅ローンを利用しているか、返済遅延がないかを確認することになります。また、銀行によっては住まいや勤務先が銀行の営業地域にある、などの条件もあるなどの独自審査があるので確認が必要です。
フリーローンを利用する際には条件などの独自審査ポイントをチェック
消費者金融カードローンは原則、勤務先や住んでいる地域などは関係なく申し込むことができますが、フリーローンの場合、銀行によっては条件があることも。フリーローンの独自審査にはどのようなものがあるか把握しておきましょう。
住んでいる地域や勤務先が銀行の営業範囲内であるかどうか
銀行によっては住んでいる地域や勤務先が、銀行の営業範囲であることが申し込みの条件となっている場合があります。
お住まいまたはお勤め先が当行の営業地域内にある方。
銀行の審査だけでなく保証会社の審査がある
銀行の審査はもちろん、保証会社の審査があることも少なくありません。銀行と保証会社の両方の審査を通過できなければ、借り入れはできません。
お申込みにあたっては当行および保証会社オリックス・クレジット(株)の審査がございます。
銀行の住宅ローンを利用しているなどを条件に金利を下げる場合は独自審査がある
銀行によっては利用条件などによって、適用金利を下げるといったサービスを提供しているケースがあります。住宅ローンの利用、また資金使途確認資料の提出、スマホやパソコンでの契約など、条件によって低金利になることもあります。
その場合、資料の確認など独自審査が行われます。
利用する銀行の口座があること
フリーローンを利用する銀行に口座があることを申込条件にしているケースも多いです。ただし持っていなくても、同時に申し込み可能であることがほとんどです。
銀行が提供するフリーローンは審査が厳しい傾向にある
銀行が提供するフリーローンは審査が厳しいと考えられます。その理由について解説します。
高額融資となる場合が多いから
審査が厳しくなるのは高額融資となることが多いからです。目的によっては高額な借り入れになる場合もあるでしょう。融資上限額が高いものも多く、独自審査に通れば高額融資が可能です。
銀行 | 借入可能金額 |
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横浜銀行 | 10万円~1,000万円 |
りそなフリーローン(無担保型) | 10万円~1,000万円 |
イオン銀行 フリーローン・目的型ローン | 10万円~700万円 |
低金利のため返済が滞ると利益が少なくなるため返済能力を慎重に審査する
融資は利息分が利益となるため、低金利の商品はきちんと全額を返済してもらわないと利益が少なくなってしまいます。フリーローンは低金利で借りられるのはメリットですが、その分返済能力に関する審査は慎重に行われると言えるでしょう。
金融庁から銀行の融資に関して審査の厳格化が求められている
銀行の融資は貸金業法による審査の義務はありませんが、過剰な貸付を防ぐため銀行の融資に関する審査は慎重に行われる傾向にあります。
銀行の独自審査は厳しいこともあるが中小消費者カードローンの独自審査は柔軟性があることも
銀行の独自審査は慎重に行われる一方で、消費者金融カードローンで独自審査を行っている場合、柔軟性のある審査を行っているケースもあります。
ただし、独自審査だからといって、審査が甘いというわけではありません。
独自審査で柔軟性があるといっても、無職やブラックでも審査が通りやすいということはありません。返済可能な収入があることや、希望の融資金額によっては収入を証明する書類の提出が必要な場合もあります。
貸付金額の上限は50万円までといった小口融資なのも返済しやすい点でしょう。
独自審査とはいえ、貸金業者は貸金業法を守った貸付をしなければなりません。総量規制による借り入れ状況の確認や、収入証明書の提出といった返済能力の調査をしない業者は、違法業者である可能性が高いので注意が必要です。
消費者金融などから借り入れ検討する場合は、金融庁や各財務局のサイトなどで、悪質業者ではないか必ず確認をしましょう。
フリーローンの審査を通過するための基本的な条件と注意点
フリーローンは銀行だけでなく保証会社の審査も通過しなければなりません。独自審査を行っているケースもあり、審査項目や内容は異なりますが、審査通過するための基本的な条件と注意点について解説します。
安定した収入がなければ申し込みできない
融資を受けるには必ず返済しなければなりません。そのためには、安定した収入が必要です。多くはアルバイトやパートでも収入が継続してあれば申込可能としていますが、年金のみの収入は不可としているケースもあります。
また、フリーローンでは年収に関して条件を提示している場合もあります。
前年度税込年収が200万円以上(個人事業主の方は所得金額)で、現在安定した収入のある方(年金収入のみの方はご利用いただけません)
条件に当てはまっているかどうかチェックし、当てはまらない場合は他を探さなければなりません。審査通過の可能性を高めるには、正社員になる、アルバイトやパートでも1ヵ所で長く働く、といったことが必要です。
また、返済能力を確認するために、年収のほか、次のような点も確認されることがほとんどです。
- 勤務先
- 勤続年数
- 住居形態
- 家族構成
賃貸物件よりも持ち家の方が、ローンを組めるくらい年収があると判断されるため、審査に有利になることが多いです。また、公務員の方が安定した収入につながるため、返済可能と判断されやすいです。
信用情報の金融事故情報に注意
融資の審査では必ず信用情報を確認するため、返済に関して信用できないと判断される情報が登録されていると審査通過できないことがあります。
次のような情報が登録されていると、審査に落ちる可能性が高いです。
- クレジットカードやカードローンの返済の遅延や滞納
- 債務整理や債券回収、強制解約、保証履行、破産など
- 他社からの借入金額が多い
登録期間が過ぎれば情報は削除されます。現在どのような情報が登録されているか知りたい場合は、信用情報機関(CICやJICC、全国銀行個人信用情報センター)に情報開示を申し込むとよいでしょう。
※ クレジットカードの支払いを待ってもらう方法の記事もおすすめ
インターネットもしくは郵送で開示が可能です。500円~1,500円(CICの場合)の手数料がかかります。
必要書類は間違いのないよう指定された正しい書類を用意する
申し込みに必要な書類はていねいにチェックし、間違いのないよう用意しましょう。
申し込みに必要な書類は原則、本人確認書類や収入が確認できる書類ですが、フリーローンによっては資金使途確認書類など使い道を確認できる書類が必要になります。
消費者金融など貸金業者に融資を申し込む際、以下の項目に該当する場合は収入証明書を提出しなければなりません。
- 50万円以上の借り入れをする場合
- 他の貸金業者の借入分も含めて100万円以上の借り入れになる場合
銀行のフリーローンでは、金額に関係なく年収を証明する書類が必要な場合もあれば、60万円以上の借り入れの場合に用意する場合もあります。
ご希望のお借入限度額が60万円以上となる場合は、現在の収入が確認できる次のいずれかの書類をご用意ください。
「独自審査 フリーローン」に関連するよくある疑問
「独自審査 フリーローン」に関連するよくある疑問を集めてみました。参考になさってください。
Q 独自審査のフリーローンは審査が厳しいですか?
A 高額融資や低金利での融資をするフリーローンは審査が厳しい傾向にあります。返済能力をしっかり確認するため、審査は慎重になります。
Q 独自審査をしている中小の消費者金融はブラックでもお金を借りられますか?
A 独自審査をしている場合でも、ブラックの場合お金を借りられる可能性は低くなります。返済に対する信用度が低いと判断されるためです。
中には柔軟な審査をしてくれる中小消費者金融もあるので、相談をしてみるとよいでしょう。
Q フリーローンとカードローンの違いは何ですか?
A カードローンは利用可能限度額の範囲内で借り入れや返済を繰り返すことができますが、フリーローンは融資額をまとめて1回で借りることになります。追加で融資を依頼する際は、再度審査が必要です。
Q 独自審査のフリーローンの申し込みには本人確認書類のほかに何が必要ですか?
A 融資金額や借りる先によって収入を証明する書類が必要です。中には、使い道に関連する書類(見積書や請求書など)の提出が必要になることもあります。必要書類は消費者金融や銀行などによって異なるので、何を提出するのかしっかり確認をしましょう。
Q 銀行のフリーローンは年収の3分の1以上の借り入れが可能ですか?
A 銀行の場合総量規制の対象外なので、年収の3分の1を超える借り入れが可能です。ただし、銀行においても過剰な貸付をしないようにしているので、年収の3分の1、もしくは2分の1を超えない範囲での融資をしているケースが多いです。
高額融資が可能で低金利のフリーローンは審査も厳しい
銀行が提供するフリーローンは高額融資が可能で低金利な商品が多いですが、その分、融資は甘くはありません。保証会社だけでなく銀行の独自審査も行い、きちんと返済できるかどうかを慎重に審査します。
中小の消費者金融の中には対面で審査をして信頼性を見極めるなど、柔軟な独自審査を行っている業者もあります。借入金額などにもよりますが、データだけで審査を落とさず返済に関する相談ができる可能性もあるでしょう。
どのような審査を行うとしても、融資をする場合返済してもらうことを前提に貸付をします。最低でも、安定した収入があり、場合によってはそれを証明する書類を提出しなければなりません。
申し込みの際にはどのような審査があるか、用意する書類は何かをしっかり確認し、不備のないようにしましょう。