クレジットカードの支払いができない。そんな時、カード会社は支払いを待ってくれるのでしょうか?
支払いを待ってもらえるかどうかはカード会社次第ですが、払えないからといって連絡もせずに滞納することが一番良くありません。
支払いができないまま放置しておくと、遅延損害金が発生し、クレジットカードの利用も停止されます。
では支払いができないときにクレジットカードの支払いを待ってもらうにはどうすればよいのか、その対処法について解説します。
支払いができないとお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
クレジットカードの支払いを待ってもらうことができるかはカード会社次第
支払いを待ってもらうことができるかどうかは、こちら側では分かりません。カード会社次第だといえます。
- 支払い日よりも前に自分からカード会社に相談する
- 支払いが遅れることがやむを得ない事情である
- これまで、滞納など支払いに関して問題がない
などの条件が揃っていれば、場合によっては支払いを猶予してもらえる可能性があります。
ただし、あくまでもカード会社の判断となりますので、事情があれば必ず支払いを待ってもらえるというわけではないことに注意してください。
また、猶予されるとはいっても、何ヶ月も待ってもらえるわけではありません。支払うと約束日があるのですから、どのような事情があれ、1日でも早く支払う必要があります。
クレジットカードの支払いができないことで生じるリスクやペナルティ
では、クレジットカードの支払いが遅れるとどのようなリスクがあるのか、支払い日を過ぎてからの流れも含めて説明します。
支払日の翌日から遅延損害金が発生する
クレジットカードの支払いができないと、支払い日の翌日から遅延損害金が発生します。
支払い日の翌日から起算し、支払いが完了した日までの日数分の遅延損害金を払います。 遅延損害金の利率はカード会社ごとに違います。
たとえば、「年利15.0%」と定められている場合で、3万円で7日間、10万円で30日間、それぞれ支払いが遅れたとしたらどうなるでしょうか?以下のように日割り計算します。
- 3万円×15.0%×7日間÷365日=86円
- 10万円×15.0%×30日間÷365日=1,232円
一見すると小さな金額ですが、延滞を放置するほど大きくなりますので注意しましょう。
支払い当日の引き落とし時間はカード会社や金融機関によって違います。基本的には、支払い日の前日までに口座にお金を入れておく必要があります。
たとえば、三井住友カードの引き落とし時間は以下の通りです。
【三井住友銀行・みずほ銀行】
お支払日当日の18時まで
【ゆうちょ銀行】
お支払日当日の21時まで
【その他の金融機関】
各金融機関へお問い合わせください
決められた時間までにお金を入れておかないと、支払いが翌日扱いとなり遅延損害金が発生します。
クレジットカードの利用が停止される
支払いが確認できなければクレジットカードの利用は停止されます。
早ければ、支払日の翌日から利用できなくなるでしょう。
携帯電話の料金や光熱費の支払いにクレジットカードを使っている場合は特に注意が必要です。カードの利用が停止されると引き落としができなくなってしまいます。
すると、支払えなかった料金についても遅延損害金が発生してしまいます。
支払いをすればカードは再度使えるようになりますから、早めに返済することが大切です。
カード会社から督促状が届く
支払い日に引き落としができず、そのまま放置していると、1週間ほどでカード会社から督促状が届きます。メールで送られてくることもあります。
督促状には、
- 支払い金額
- 遅延損害金
- 次回の引き落とし日
などが記載されていますので、その日までに入金をしておけば、再度引き落とし手続きをしてもらえます。
この支払いに関する問い合わせ窓口も記載されているはずですから、支払いについて相談したいことがあれば、すぐに自分から連絡してください。
滞納から2〜3ヶ月で信用情報に傷がつく
支払い日の翌日から61日以上または3ヶ月以上滞納した場合、信用情報に異動情報が記録されます。
いわゆる「ブラックリスト」の状態です。一度異動情報が登録されると、一定期間経つまで消えません。
情報の保有期間については、以下を参考にしてください。
信用情報機関 | CIC(株式会社シー・アイ・シー) | JICC(株式会社日本信用情報機構) | KSC(全国銀行個人信用情報センター) | |
---|---|---|---|---|
加盟している企業 | 消費者金融、クレジットカード会社、信販会社、百貨店、保証会社、リース会社、保険会社、携帯電話会社など | 消費者金融、クレジットカード会社、信販会社、保証会社、リース会社など | 銀行、信用金庫、信用組合、農協など | |
異動情報の種類 | 延滞(61日以上) | 5年 | 1年 | 5年 |
延滞(3ヶ月以上) | 5年 | 5年 | 5年 | |
代位弁済 | 5年 | 5年 | 5年 | |
自己破産 | 5年 | 5年 | 7年 | |
個人再生 | ー | 5年 | 7年 | |
任意整理 | ー | 5年 | ー | |
強制解約 | 5年 | 5年 | 5年 |
これらの異動情報が残っている間は、新たなクレジットカードを作ることが難しくなるため、早めの返済が大切です。
クレジットカードが強制解約される
それでも返済が行われない場合、クレジットカードは強制解約となるでしょう。もちろん強制解約についても信用情報機関に記録が残ります。
強制解約になったとしても、債務がなくなるわけではありません。また、返済するまでは遅延損害金が増え続けます。
クレジットカード利用分を一括請求される
さらに延滞が長期化すると、これまでの未払い金を一括請求されます。本来の支払い額に、遅延損害金を足した金額です。
これを「期限の利益の喪失」といい、すぐにでも一括返済しなくてはならなくなります。
ここまでくると、もう分割払いの交渉などはできず、 もともと分割払いやリボ払いにしていた場合であっても、一括請求されればすべて一度に返済しなくてはなりません。
裁判所に訴えられ財産が差し押さえられる
全く支払う意思がない、一括請求にも応じないなど悪質な滞納を続けると、カード会社によって訴訟が起こされます。
敗訴確定後に返済できれば良いのですが、支払いがされなければその人が持っている預貯金などの資産が差し押さえされます。
資産には給与も含まれますので、お給料の一部が差し押さえられると、毎月の給料から強制的に返済していくことになります。
クレジットカードの支払いができずブラックリストになることの影響
信用情報機関に異動情報が登録される、いわゆる「ブラックリスト」の状態になると、様々な悪影響が考えられます。
- 新しいクレジットカードが作れない
- クレジットカードが利用できなくなる
- ETCカード家族カードが使えなくなる
- 新たな借り入れができなくなる
- 携帯電話等の分割払いができなくなる
新しくクレジットカードを作ることが難しくなり、現在利用している他のクレジットカードについても、次の与信のタイミングでカードの利用が停止されることが考えられます。
クレジットカードが使えなくなると、そのクレジットカードに追加カードとして発行したETCカードや家族カードも使えなくなります。
またカードローンや各種ローンも利用する事は難しいでしょう。車のローンや住宅ローンなど金額が大きいローンを組むことも難しく、人生設計にも大きな影響が出かねません。
クレジットカードの支払いができないときの対処法
クレジットカードの支払いができないと気がついた時点で、以下の対処法を検討してください。
分割払いやリボ払いに一時的に変更する
その月の支払い額が確定してから一定期間は、支払い方法の変更が可能です。
一括払いで難しい場合は、一時的にリボ払いや分割払いに変更しましょう。
クレジットカードのマイページから、もしくはコールセンターなどに電話をして手続きを行います。
ただし、リボ払いや分割払いにすると手数料が発生します。支払い金額が増えることを考慮して、適切な回数に変更しましょう。
自分から連絡して支払いについての相談をする
支払い方法の変更期限が過ぎてしまい、分割ができない場合には、コールセンターに自分から電話をして支払い方法や期限について相談します。
なぜ支払いができないのかきちんと説明した上で、いつなら支払えるのかを伝えます。
これまで支払いに特に問題がなかった人であれば、カード会社も柔軟に対応してくれるはずです。
日払いのアルバイトなどをしてお金を稼ぐ
金額がそれほど大きくなく、支払い日までに時間があるならば、日払いのアルバイトなどをしてお金を作るのも良いでしょう。
ここで注意したいのは、「日単位」の支払いではなく、「即日払い」になっているかどうか確認することです。
日払いと言いつつ、実際の給料の支払いが翌週、翌月になるパターンがありますので、カードの支払日に間に合わない可能性があります。
支払日を確認した上で、仕事を選びましょう。
家族や友人に相談してお金を借りる
今支払えないお金があるのに、安易に借り入れをするのはおすすめできませんが、家族や友人であれば 一度相談してみるのはアリでしょう。
利子や返済期日にある程度融通がきくと思いますので、支払いができない事情をきちんと説明した上で、借り入れを頼んでみてください。
なお、「親しき仲にも礼儀あり」です。
借りる金額が少額であっても必ず借用書を作り、返済期日までに必ず返すようにしてください。
クレジットカードの支払いを管理して滞納を防ぐ方法
たった1日でも支払いが遅れれば、遅延損害金が発生します。
滞納の期間によっては信用情報に傷がついてしまうこともあるので、残高不足にならないよう支払いをきっちり管理していくことが大切です。
利用の都度、金額を確認する癖をつける
クレジットカードはお財布から現金を出さないので、お金を使っている感覚がなくなってしまう人も多いものです。
カードで買い物をしたら、その都度今いくら使ったのか、その買い物はいつの支払い分になるか、確認する癖をつけましょう。
その上で、次回の引き落とし額の合計がいくらになるか常に確認しておくと、うっかり残高不足になるという心配もなくなります。
支払日の数日前には残高を確認する習慣をつける
支払日当日に残高不足であることに気づいても遅いので、遅くとも数日前には一度口座を確認しましょう。
特に、税金や保険料等大きな金額の支払いをカード払いにしている人は要注意です。
今月の支払いがいくらで、口座にいくら入っているかを数日前に確認しておけば、残高不足で引きで引き落としができないという心配はありません。
利用明細とともに口座残高を確認する癖をつけると、安心です。
アプリの通知サービスなどを利用する
カード会社の公式アプリなどを利用していると、引き落としの数日前に「今月の引き落とし額」についての通知をしてくれるサービスがあります。
このお知らせに登録しておけば、利用金額のチェックをうっかり忘れていても安心です。
どうしても払えない時は債務整理を検討する
リボ払いなどで支払い額が大きくなってしまい、少しアルバイトをしたくらいでは返済できない、簡単にお金を借りることもできないとなった時、最後の手段として債務整理を検討しましょう。
債務整理をすると信用情報機関に記録が残ってしまうものの、借金の返済が楽になる可能性があります。
債務整理には、以下の3つの種類があります。
任意整理は裁判所を通さずカード会社と相談
任意整理とは、カード会社など債権者と交渉を行い、利息や遅延損害金をカットしてもらうなど返済額を減らす手続きのことです。
この手続きについては、裁判所を通す必要はありません。
なお、個人で交渉を行うことも可能ですが、一般的には弁護士に依頼して交渉を行います。手続きに間違いがあると交渉がうまく行かない可能性もありますので、専門家に任せたほうが安心です。
債権者が交渉に応じてくれれば、支払い額を減額してもらった上で、原則3年間で返済をしていきます。
個人再生は裁判所を通して債務額を大きく減額
個人再生とは、このままでは返済が難しいことを裁判所に認めてもらった上で、借金の元本を大幅に減額し、残った負債を3年から5年かけて返済していくための手続きです。
住宅等の資産は残したままで、借金の元本を最大80%程度まで減額できます。ただし、どの程度減額されるかは負債の額や資産によって異なります。
任意整理と自己破産の中間のような手続きだと思えば良いでしょう。
自己破産は裁判所に借金の返済義務を免除してもらう
自己破産とは、資産がなく返済が不可能であることを裁判所に認めてもらい、返済義務を免除してもらう手続きのことです。
自己破産が認められれば、借金はゼロになります。 ただし、処分できる財産(持ち家など)は基本的に処分されますし、自己破産したことは官報に掲載されます。
クレジットカードの支払いを待ってもらえなくてもやってはいけないこと
クレジットカードの支払いができない、滞納の期間が延びて、もう待ってもらえないときであっても、やってはいけないことがあります。
カード会社からの連絡を無視し続けること
お金が払えないから無視していれば、カード会社もそのうち何も言わなくなるだろうと思うかもしれませんが、それはありません。
遅延損害金は膨らむ一方で、いずれ裁判所に訴えられ、給料を差し押さえされる可能性もあるのです。
すぐには全て返済できなくても、少しずつでも払っていく意思を示せば、カード会社もできるだけ柔軟に対応してくれます。
大切なのは、催促される前に自分から相談することです。
安易にクレジットカードのキャッシングやカードローンに手を出さない
たとえ、今利用しているクレジットカードが停止になったとしても、カードを複数枚持っているなら、他のカードでキャッシングできると考える人もいるでしょう。
また、今はカードローンの審査も早く、ブラックリストになる前であれば短時間で借り入れができてしまいます。
しかし、今目の前にある債務を解消できないのに、新たな借り入れをしても借金が増えるだけです。
キャッシングやカードローンの金利は高めですから、 思ったよりも返済額が増えてしまったということにもなりかねません。安易な借り入れは危険です。
クレジットカードの現金化は利用規約に反する
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードで購入したものをリサイクルショップや買取業者に持ち込んだり、 現金化専門のサービスを展開している業者などを利用したりして、現金を得ることをいいます。ショッピング枠の現金化とも呼ばれます。
買ってはみたものの、思っていたのと違う、気に入らなかったなどの理由で売りに出すことはあるでしょう。
ですので、クレジットカードで購入したものを現金に換える行為自体は、法律違反ではありません。
ただし、最初から現金を得る目的で買い物をするのは、クレジットカードの本来の使い方ではないため、ほとんどのカード会社の利用規約で禁止されています。
よく考えてみてください。10万円で購入したものを10万円で引き取ってもらえることはなく、現金化するほど負債は増えていくだけです。
また、自社の商品を買わせるだけで、換金してもらえなかったなどのトラブルも起こっています。
掲示板やSNSを利用した個人間融資はNG
SNSや掲示板などで、「お金を貸します」といわれて安易に口座番号などの個人情報を教えてしまう人がいますが、絶対にやめましょう。
クレジットカードの支払いができない時にやるべきことは、まずカード会社に相談することであり、安易に素性のわからない相手からお金を借りてはいけません。
闇金業者が個人を装って近づいてくる可能性が高く、犯罪に巻き込まれる恐れもあります。
闇金は絶対に利用してはいけない
- 誰でも借りられる
- 審査なしで借りられる
など、甘い言葉で誘ってくるのは闇金です。
貸金業法を守り、きちんと届け出をしている貸金業者であれば、お金を貸すときは必ず審査をします。審査なしでお金を貸してくれる業者はいないのです。
闇金は一度関わると、法外な金利を要求されたり、違法な取り立てをされたりして、日常生活にも大きな影響を及ぼしてしまいます。
人生が破綻する可能性もありますので、絶対に借りてはいけません。
クレジットカードの支払いを待ってもらうことに関する質問とその回答(Q&A)
クレジットカードの支払いを待ってもらうことについてよくある疑問や質問、その回答についてまとめました。
クレジットカードの支払いはどのぐらい待ってもらえますか?
クレジットカードの支払いをどのぐらい待ってもらえるのか、そもそも支払いを待ってもらえるかどうかも、カード会社次第です。
支払いを待って欲しいならば、まず自分から連絡し、いつまでなら支払えるのかを明らかにすることが大切です。
本来であれば支払う期日が決まっているのですから、そこに間に合わないならば、間に合わないなりの誠意を見せることが必要でしょう。
間に合わない事情によっては、支払いを多少猶予してくれたり、分割払い等の相談に応じてくれることもあります。
ただしそれは、これまで支払いに問題がなかった人のみです。過去にも滞納している人は、相談に応じてもらえない可能性が高いです。
クレジットカードの支払いを待ってもらう言い訳はどうすればいいですか?
支払いが間に合わないことの言い訳としては、以下のようなものがあります。
- うっかり支払日を忘れていた
- 病気や事故など急な出費があって残高不足になってしまった
- 給料が減ってしまって支払えない
ただし、カード会社にとって重要なのは、支払えない理由よりもいつ支払ってくれるのかという点です。
本当に不測の事態によって支払いが一時的にできなくなり、次の給料が入れば必ず支払えるなどのめどが立っていれば良いのですが、そうでない場合に下手な言い訳はかえって信頼を失います。
支払えないことについて正直に理由を話し、いつなら支払えるのか、もしくはいくらずつなら支払えるのか早めに相談することが大切です。
クレジットカードの支払いを滞納するとどうなりますか?
クレジットカードの支払いを滞納すると、支払い日の翌日から遅延損害金が発生します。クレジットカードの利用も停止され、支払うまでカードが使えません。
カード会社からは、支払い期日を示した督促状等が届きますので、その日までに入金するようにしましょう。
滞納が長くなると、61日以上または3ヶ月以上で信用情報機関に異動情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」になってしまいます。
クレジットカードの支払いを分割にしてもらうことは交渉可能ですか?
支払い額が確定し、その後の一定期間内であれば、一括払いから分割払いやリボ払いに変更することが可能です。
ただしその期間を過ぎてしまうと、WEBサイトからはできなくなるため、フリーダイヤルなどに電話をして相談してみてください。
これまでカードの支払いに特に問題がなく、信頼できる人物であると判断されれば、カード会社としても柔軟に対応してくれる可能性が高いです。
どうしても支払いができないときはどうすればいいですか?
どうしてもクレジットカードの支払いができない場合、それがわかった時点で自分からカード会社に連絡をし早めに相談してください。返済計画の相談に乗ってくれるはずです。
一番よくないのは、黙って滞納することです。分割払いなどにも応じてくれなくなってしまいますので、今すぐ支払えないとしても、早めに相談することが何よりも大切です。
クレジットカードの支払いを待ってもらうには自分から相談することが大事!
クレジットカードの支払いを待ってもらうためには、どのような事情であれ、まず自分から連絡をして相談することが何よりも大切です。
最終的に支払いを待ってもらえるかどうかは、カード会社の判断によりますが、やむを得ない事情を説明し、いつなら支払えるのか明確にした上で相談をすれば、ある程度は柔軟に対応してくれるでしょう。
最も良くないのは、支払えないことがわかっていながら黙って放置することです。支払い日の翌日から遅延損害金が発生しますし、カードの利用は停止され、一定期間が経つと信用情報にも異動情報が登録されてしまいます。
新たなクレジットカードを作ったりローンを組んだりするときに支障をきたしますので、支払いが難しいとわかった時点で、分割払いができないかなど自分から相談するようにしてください。
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